あさって、3年ぶりに開かれる日中首脳会談。懸案の一つが、中国で厳しい輸入制限が課されている日本産食品の問題です。中国人の間では日本産牛肉が人気ですが、制限があるため、密輸とみられるケースも出ているそうです。
北京市内の日本料理店。この日は「沖縄料理フェア」が行われ、多くの客でにぎわっていました。
客
「おいしい、とてもおいしいよ」
「とってもおいしい!」
中国でも日本食は大人気。しかし、お店には悩みがあります。
北京なだ万 マネージャー 竹中健太さん
「(日本産の食材は)結構厳しいですね。ほとんど入ってこないと思います」
原因は、2011年に起きた福島第一原発の事故。それから11年がたった今も、中国は日本からの食品輸入を厳しく規制しているのです。
対象となっているのは、福島など10都県の食品や酒などの加工食品。また、果物、野菜などはすべての都道府県からの輸入が事実上、禁止されるという世界的にみても極めて異例の厳しい対応がとられています。
北京なだ万 マネージャー 竹中健太さん
「北海道は(中国の)みなさん好きだと思うので、北海道の果物などを入れられるようになれば、もっと魅力が増すのではないかと思います」
しかしこの規制、奇妙なことがあります。
こちらは、北京市内のスーパーで売られている新潟県産のコメ。新潟県は輸入規制の対象ですが、なぜかコメだけは規制が解除されました。しかし、日本酒コーナーに新潟県産の酒はありません。同じコメなのに、食べるコメは良くて日本酒はダメという中国政府の方針を、日本政府関係者は「全く科学的ではない」と指摘しています。
さらに、中国人にも人気の「日本産牛肉」。これも規制の対象です。牛の病気の一つであるBSE(牛海綿状脳症)が発生した2001年以降、20年以上にわたって輸入が禁止されているのです。
しかし、観光旅行などで日本を訪れ、日本の牛肉の味を知った中国人にニーズがあることから、ここ数年、奇妙な現象が起きています。
政府関係者によりますと、去年、日本産牛肉の最大の輸出先はアメリカなどを抑え、意外にもカンボジア。カンボジアでの牛肉の消費量はそれほど多くないと推測されることから、カンボジアを迂回して、中国に密輸されている可能性が指摘されているのです。
客
「(日本旅行で)牛肉の鉄板焼きを食べました。1週間に2回も行きました。日本の海産物や牛肉をまた食べたいです」
日本政府は規制の全面解除を申し入れていますが、進展がないのが実情です。
17日、実に3年ぶりに対面で行われる日中首脳会談での進展を期待する声が高まっていますが、中国の人たちが日本の食材を自由に楽しめる日は来るのでしょうか?
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