日本のイチゴをアメリカの巨大植物工場で量産化し注目される企業が、東京に世界最大級の研究施設を開設します。100兆円産業になることを目標に掲げています。
■水を再利用 電気あれば砂漠でも栽培可能
栽培棚に並んだ真っ赤なイチゴ。2万平方メートルにも及ぶアメリカの植物工場です。
外界から完全に遮断された環境で、温度や湿度・光などを植物に合わせて自動制御しています。植物に不可欠な水の大部分は再利用ができるため、電気さえあれば砂漠でも栽培が可能です。
「Oishii Farm」 古賀大貴CEO(38)
「一年中ずっと同じ品質のおいしい日本の野菜や果物が、世界中どこでも再現性をもって作ることが可能になる」
日本発のおいしいイチゴやトマトの量産化に成功し、アメリカで大成功した古賀さん。30歳の時にアメリカで会社を設立し、現在はスーパーを筆頭に280以上の店舗で販売しています。
2日には、世界最大級の植物工場研究施設を東京に開設することを決定しました。
「日本の産業と組んで最大化して、自動車産業の次の100兆円産業を日本から創出していきたい」
■植物工場でピンチをチャンスへ
アメリカの植物工場で初めて量産化することに成功した、日本発のイチゴ。このベンチャー企業が次のステップに進むために選んだ研究の拠点は東京です。
「植物工場に必要な二大要素がある。施設園芸といわれるグリーンハウス農業の技術と、工業が重要。両方とも日本が世界トップクラスのものを持つ」
日本の大企業とタッグを組んで空調を始めとした環境制御システムや収穫ロボットの開発に取り組みます。既に量産化に成功しているイチゴやトマト、メロン以外の品目の開発にも取り組みます。
「すでに日本のグリーンハウスで作られているような、ナス、キュウリ、ピーマン、レタス。ゆくゆくはコメや小麦とか、植物工場でほぼ量産が難しいと言われるところまで、長期的には取り組むことができればいいなと思う」
「令和の米騒動」が連日取り上げられ、不安が高まる日本の農業。植物工場の開発が進めば、ピンチをチャンスに変えられるといいます。
「20世紀は『自動車や電化製品の日本』というふうに言われてきたが、21世紀は農業の日本という世紀を作れる、リーディングポジションに世界的に見てもいいと思う。植物工場のコストはすごいペースで下がっているので、価格でも既存農業と勝負できている」
古賀さんは日本の農業と工業の技術を詰め込んだ植物工場をパッケージ化して丸ごと輸出しようと意気込みます。
「世界中どこにでも植物工場があって、世界中のスーパーどこへ行っても一番おいしくていいものが全部そろっている。そういった世界を最終的に目指していきたい」
(「グッド!モーニング」2025年6月9日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp