小笠原諸島の西之島で先月、環境省が調査を実施したところ、昨年にはなかった新たな発見がありました。西之島は、2019年から2020年にかけて起きた大規模噴火によって、根付いていた環境が一度リセットされ、島の生態系がどんな変化をしていくのか、世界でも貴重な研究対象となっています。
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7月31日、東京都心から約1000キロに位置する“絶海の孤島”小笠原諸島の西之島に向かい、撮影した映像には、まるで雲を作り出すように噴き上がる水蒸気や、火口の中心部には赤く変色した池がありました。
火山の専門家によると、雨でできた水たまりに火山ガスや岩石の鉄分が溶け込み、赤くなった可能性があるということです。
現在の島の大きさは、東京ディズニーランドとディズニーシーを合わせた面積の約3倍です。今も成長が続く西之島では、何が起きているのでしょうか。
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環境省は昨年に続き、今年も調査を実施しました。2日、その映像が公開されました。海中調査で見つけたのは、ゆらゆらと揺れる白い生物です。これは海草ではなく「ヒドロ虫」と呼ばれるクラゲの仲間で、日本近海でも見られるといいます。
昨年の調査では見られなかった新たな発見もありました。今回、テッポウエビの仲間などが新たに見つかり、全部で70種類以上の生物が確認されたということです。
陸上での調査では、昆虫や藻類を確認しました。専門家によると生物が多様化することで、生態系の変化が起こりやすくなる可能性があるということです。
今、西之島は世界でも貴重な研究対象となっています。2019年から2020年にかけて起きた大規模噴火によって、島全体が溶岩や火山灰に覆われ、根付いていた環境が一度リセットされました。
そこから人為的影響が少ない状況で、島の生態系がどんな変化をしていくのか。今回の調査で昨年の調査結果を覆す、動物たちの行動の変化がありました。
調査に同行した 森林総合研究所 川上和人さん
「今年、調査を行ったところ、昨年に比べて繁殖成功率が高くなっている。昨年、繁殖していた場所と別の場所に繁殖地を移動している鳥たちがたくさんいた」
昨年の調査では海鳥のヒナの個体数が少なく、繁殖は難しいとされていましたが、今回、海鳥の行動が変化し、多くのヒナの姿が確認されたことで、繁殖しやすくなった可能性があるといいます。
川上和人さん
「我々が考えていた以上に、島の生態系の変化が早いと考えられる」
今後、新種の生物の発見はあるのでしょうか。環境省は、生物の種類など詳細な分析を行っていくということです。
(2022年8月2日放送「news every.」より)
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