5年前、福岡県春日市の市立小学校で新任の男性教諭が放課後の教室で自殺しました。男性は民間企業の労災にあたる「公務災害」と認定され、遺族が市などに損害賠償を求める訴えを起こしました。
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これは、自殺した24歳の男性教諭が残した遺書です。
■遺書より
「人のためにと思ってついた職業、あこがれた仕事。子どもに迷惑をかけてしまう。大好きな子どもなのに。こんなことなら生きていても仕方がない。さようなら。」
5年前、春日市の小学校で働いていた男性は、担任をしていたクラスの教室で首をつった状態で見つかり翌日、死亡しました。
男性は、その年の4月に採用されたばかりでした。
遺族は、男性が自殺したのは校長の安全配慮義務違反があったからだとして、春日市と福岡県に対し、あわせておよそ9000万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。
18日、男性の母親が代理人を通じてその思いを語りました。
■はかた法律事務所・前田 牧 弁護士(母親のコメントを読み上げ)
「子どもの頃から憧れて、目標にして頑張っていました。本人はきっとまだまだやりたいことがあったはず。それができなかったのが悔やまれます。」
訴状によりますと、男性は当時、新任教諭ながら3年生のクラス担任のほか運動会の企画運営などの役割を担っていたといいます。
自宅での「持ち帰り残業」も多く、時間外労働は2か月連続で100時間を超えることもありました。
男性は過酷な長時間労働に加え、先輩教諭からパワハラなどで精神疾患を発症し自殺に至ったとして2021年、民間企業の労災にあたる「公務災害」に認められました。
■光永法律事務所・光永 享央 弁護士
「教師の熱意におんぶに抱っこで、こういう長時間労働を起こしている。何人の犠牲者が出れば改めるんですか。」
若い教諭の命を奪った長時間労働。日本教職員組合が2022年行った調査によりますと、公立学校の教員の1か月に行う時間外労働は平均95時間32分に上り、過労死ラインとされる80時間を大きく上回っています。
今回の訴えを受け、春日市教育委員会は「未来ある若い教員が命を失ったことについては、今でも無念でなりません。福岡県教育委員会と協議しながら誠実に対応していきたい」とコメントしています
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